(更新: 2023年10月)
これまでいただいた質問を参考に、I類メディア情報学/J専攻のイチ研究室という目線でのQ&Aを作成してみました。随時更新します。
研究テーマについて
[他研究室と毛色が異なることが気になった]
佐藤は、本学大学院出身の人間です (I専攻の前身に相当)。無線通信へ空間ビッグデータを応用するという研究テーマで2017年度に博士号を取得しました。その後、異分野の研究者からの誘いがきっかけで無線での分散機械学習に関する研究を開始し、現在に至ります。このような流れから佐藤の無線に対するバックグラウンドが反映されており、メディア情報学コースの中では異色と言えるでしょう。
とはいえ、本コースのキーワードが多数関連しています (右図)。使用する理論や言語も多くが共通していますし、案外身近だと考えてもらえればOKです。
[データ解析は何かアプリを決めているのか?]
基本的に明示せず、幅広く使ってもらえる形で一般化して世に送り出すことを意識しています。ただ、研究を進める中でアプリの例を常時頭に置いておくことは大事にしています (例えば自動運転、環境モニタリング、ヘルスケアなど)。また、上手く手法がまとまった場合は何らかの形で取得したデータを使い、アプリ例として実証することもあるでしょう。
[理論的な研究を行うということか?]
テーマによらず、理論的な考察→計算機シミュレーション (→実機実験)と、一通りを広く浅く行ったり来たりする予定です。研究課題を抽出した後は、その解決策を一定の根拠 (=理論)に基づいて考察することになります。その考察結果を検証するためには、計算機シミュレーションが手っ取り早いでしょう。検証結果が芳しくなければ、理由を考察の上、また検証...というように、考察と数値計算の往復を基本となります。タイミングが合えば小型端末やスマホでの実機検証ができればいいなと思っています。
理論ベースや実装ベースなど、学生の得意領域に合わせた掘り下げも可能です。
[テーマはどのように決めるのか?]
基本的に佐藤の方で研究課題やその解決方法の大まかな方針を用意し、配属時点で渡すようにしています。その後、勉強会や文献調査、簡単なシミュレーションなどを経て具体的な内容へと落とし込んでいくような流れです。
既に興味のある話題があれば、それを絡めることも可能です。2023年度には、学生の興味と研究室の方針を擦り合わせたテーマで国際会議での受賞にこぎつけました (大学広報)。自身の興味を発展させて海外で戦うという体験は、何ものにも代え難いものになるでしょう。
研究室での過ごし方について
[コアタイムはあるか?]
コアタイムは設けず、ミーティング (1-2週間に1回程度)への参加以外の過ごし方は自由としています。
少人数のためミーティングやゼミも当面は都度日程の微調整が可能であり、趣味やアルバイトと両立しやすいのではと思います。
[西9号館が工事中らしいが大丈夫か?]
2023年度は東6号館へ仮移転中です。2024年度前期より改修後の綺麗な建物を利用可能となる予定です。
仮移転中も、滞りなく研究が進められるよう以下の調整を行なっています。
在宅用の研究環境を整備している他、ミーティングはハイブリッド対応しています。
西8号館に1部屋レンタル中です。ノートPCを持ち込んでのデスクワークや実験作業など可能です。
[どういったスケジュールで進みそうか?]
長く使える基礎を重視するため、B4の前半は基礎勉強が多めです。学生の履修科目に合わせ微調整しますが、基本は以下のような流れです:
4-5月 :基礎勉強 (確率統計, パターン認識, 通信など), Pythonによるデータ解析に関するプログラミング課題
6-7月 :研究テーマに関連する最新の論文の輪読 (2本)
8月 :論文調査+課題整理, 簡単なプログラミングなどによる動作検証など
9月- :整理した課題の解決策の考案
修士では、卒研の内容をベースにB4の冬-M1前期までの国内学会+国際学会各1件の投稿を目標としています。
[使用するプログラミング言語は?]
特に指定はしていません。基本的にはPythonを推奨しています (関連分野での資産の厚さや佐藤の慣れから)。
[配属にあたって要求されるプログラミングのスキルは?]
嫌いでなければOKです。関連必修科目をパスしていることを前提に、あとは実践で身につけようという方針です。
なお、今のところ、佐藤 (電気電子工学系出身)よりも学生の方がプログラミングが上手い傾向にあります。
[ワイヤレスについて学んでいないが大丈夫か?]
はい、そのつもりで研究スケジュールなど組んでいます。興味があればまずはOKです。
配属希望時のあれこれ
[経営・社会情報学コースの学生だが受け入れ可能か?]
OKです。当研究室で扱うテーマの多くは、統計学や空間情報科学、多変量解析、オペレーションズリサーチといった理論の活用機会多数です。
そういった分野へのバックグラウンドを持つ学生も歓迎します。
[博士課程への進学を検討しているが問題ないか?]
佐藤自身はウェルカムです。指導方法に調整が必要な可能性があるので、興味を持った段階でご相談ください。
[身につけていることが望ましい素養は?]
メディア情報学のカリキュラムをベースに、本研究室での活動との関連が深い科目の例をリストアップします。
未履修 or 苦手なものがあってもまずはOKです。研究開始以降、必要に応じて身につけましょう。
なお、他科目が当研究室での活動に繋がらないという意図ではありません。他分野の知識が役に立つことも多数あるため、面白いと思ったことを大事にしてください。
[基礎科目]
微積, 線形代数, 確率論, 統計学
各種プログラミング, アルゴリズム (言語不問、基礎を1周していればOK)
コンピュータネットワーク
オペレーションズ・リサーチ基礎
応用数学第一
[類専門科目]
情報通信システム
データマイニング
ディジタル信号処理関連 (インタラクティブシステム, 音声信号処理, 物体認識概論など)
[その他, 科目以外の話]
(あるとベター) 手を動かす趣味や、それによって自分の生活を多少でも便利にした経験など。
例:自作プログラムを活用している
PCやサーバを自作したことがある、ラズパイで遊んでいる
楽器のエフェクターを自作している